時の湖

ふと考える。
この時は、激しく流れゆく河のように、ただ流れ、無の海という一つの場所に向かうだけの一過性のものでなく、緩やかな流入と流失を繰り返す、澄んだ湖のようになものであるのかもしれないと。
そして、その湖の周りを歩いている。
湖はいくつもあり、大きさも様々で、それぞれに湛えている時が違う。
湖の間(時の間)は川が伝い、それを伝い、移動してゆく。
周囲を歩くというスパンをいくつか繰り返す事によって人生を構築する。
ただ流されるよりも、そういう風に、時間に寄り添う様にして生きていけたら…と思う。