レレレのレ~?の「硫黄島からの手紙」

クリント・イーストウッドは、好きな俳優さんの一人だ。代表作のダーティハリーなんか、あのマグナムをぶっ放す姿がカッコよかったよねぇ。でも、監督としてはどうなんだろ?そもそも、「ミリオンダラー・ベイビー」がどうしてアカデミー賞なのかオイラにはわからない(ついこの前地上波で放映されてたけど、つまんなくて途中でチャンネル変えちゃった)。いま話題の二部作のひとつ「硫黄島からの手紙」も、前評判が高かっただけにガッカリさせられた1本になっちまった。

 

この映画、一言でいうと消化不良。時間経過や両軍の攻防に伴う地理的な形勢もわかりにくいし、淡々と描いてるのはいいが、申し訳ないけどドキュメンタリーに多少肉づけしたって感じ。陸軍の栗林忠道中将を演じた渡辺謙が、誰も知らなかった硫黄島、戦争の悲惨さや無意味さを盛んにPRしてるけど、特に伝わってくるものはない。観客に若い女の子の姿が目立ったが、それは二宮和也君が出てるからだろうし・・・。まあ、事実とフィクションじゃ比較するのもなんだけど、同じ戦争映画という点では「プイライベート・ライアン」の方がずっとリアリティがあったし、悲惨さや無意味さがビシビシ伝わってきたと思うんだけどなぁ。

 

それより、映画公開に合わせてTV放映された2時間ドラマ「硫黄島~戦場の郵便配達」の方が、オイラにはグッときた。こっちは、海軍の市丸利之助少将を中心にした話。14~5歳の少年たちが農作物を作るために硫黄島に動員されてたなんて初めて知った話だったし、途中で手紙と一緒に紹介される兵士たちの写真、島の夫からの手紙を支えに乳飲み子と必死に生きてきたという遺族の証言なんかは、とっても重いものだった。最後の郵便を必死で届けようとする伊藤敦君(どうしてもチビノリダーを思い出しちゃうんだよね)もがんばってはいた。藤竜也もなかなかの名演技。オイラは、渡辺謙よりずっといいと思った。まあいずれにしても、「硫黄島からの手紙」はDVDのレンタルで観れば充分な映画だよね。